アイツまで徒歩5分
第14章 【最終章】思いでは美化され腐りきる
「あら〜珍しい!ボクちゃん1人?陣ちゃんは?」
仕事を終えて…1人でオカママの店に来た俺を、ママさんは、珍しそうに見る…
「陣ヶ岡さんは、今日は接待でクライアントと飲み会です!」
ママさんは、残念?みたいな顔で俺にコーラを注いでくれた
まだ、禁酒が続いている俺を気遣う…
「しかし、陣ちゃんも変わったわ〜
あれでも、昔は荒れてたのよ?」
コーラを飲みながら…俺は、身を乗り出す!
「え?陣ヶ岡さんが?」
ママは、グラスを磨きながら昔を思い出すように目線を上に向ける―――――…
「―――…そうね、大学の頃かしらね…」
「――――お姉さんの件は…聞きました」
荒れていた時期は、まさにお姉さんとの件がきっかけだったらしい…
「家を出て――――…夜遊びしまくりで…私の店で暴れてね〜…ま、それが縁で陣ちゃんはここと裏の常連なんだけど――――…」
む…むむ…裏も常連なのかよ…
「やだ!ボクちゃん!!今は、裏には陣ちゃんは来ないわよ!
もぅ、ふて腐れないの!!」