アイツまで徒歩5分
第1章 新たな門出に落とし穴!
入社式を終え…
名刺に書かれていた部所に向かう――――…
「MRインテリア課…
な…何課…だ?」
俺は、社ビルの案内板を眺める…
そもそも…“MR”が何の略なのかも…田舎育ちの俺には検討もつかない…
「あ―――…お前、俺の隣の席にいた…
さい…最知…だったよな?どうした?」
案内板を見ていた俺に声をかけてきたのは入社式で席が隣だった…
小泉 彰(コイズミ アキラ)だった…
「あ…小泉…さん…
“MRインテリア課”の階数を調べてたんだ…」
「最知、さん付けはいいよ!同期だし…同い年ぐらいだろ?」
そう言うと小泉は、一緒に案内板を見た…
「最知“MRインテリア課”かぁ〜いいなぁ〜…俺、“賃貸管理課”…地味じゃないか?」
え―――…賃貸管理!?
「小泉、いいじゃないか!地味じゃないよ〜!!
色んな物件見に行けるんだろ?!羨ましいよ…何する課か明白だし…
何だよ…“MR”って…」
「はぁ?最知知らないのか?ここ数年この業界のトップを独占のしてる…“モデルルーム=MRインテリア課”だぞ?
今年の新入社員は、そこの課を希望してる奴も多いって話しだぞ?」