アイツまで徒歩5分
第25章 【番外編☆最終章】アイツまで徒歩★分!
「あっ…おい、まだ仕事か?」
作業員は、俺を目で追いかけると…
近くにあった椅子を引き寄せ…
柱と向かい合う感じに座った――――――…
「あと少し…チェックしたら…帰ります」
ふ〜ん…と、作業員は手にしていたビールのプルタブを開け―――――――…
グイッグイッ!!と、多目に喉に流し込んだ――――…
「あっ…これ、新人からの差し入れか?サンキューな…」
「い…いえ――――…でも、なんで柱の前で飲んでるんですか?」
俺は、柱を見つめながらビールを飲んでいる作業員に聞いた…
「あ〜…、仕事終わりに…毎日をこの柱の前で…一服してから帰るのが俺の日課なの…
たまたま、今日はビールがあったから――――」
「この柱に思い入れでも?」
作業員は椅子から立ち上がり柱を見上げた…
「――――ほら、お前が言っていた…陣ヶ岡だっけ?ここデザインしたヤツ…
この柱をメインにする時…現場の意見も聞きたいって…
一人一人話を聞きに来てさ――――…」