アイツまで徒歩5分
第4章 雉も鳴かねば射たれまい!
静かに階段を降りて―――…
駅に向かう…
まだ、ラッシュじゃないけど…通勤通学の人はそれなりにいて…気は紛れた…
「早く出てきて…正解だったのかな?」
自問自答……なんか逃げたみたいで…後ろ髪を引かれる…
「独り言かい?最知君?」
「ひっ!!」
朝の爽やかな時間帯にピッタリな……綺麗な声…
恐る恐る振り替えると…
コーヒーを手に…微笑む中森さんがそこにいた……
「え―――――…え?何で」
一瞬にして、昨日の事が過り身構えてしまう!!
「お?警戒されている?だよね〜昨日は、ごめんね?」
え…笑顔が怖いよ?!
「どうして中森さんがここに?」
「あれ?覚えてないんだっけ?
昨日は、意識を無くした君を和磨と俺でアパートまで運んだんだよ?
ま、そのまま俺は和磨の部屋にお泊まり!」
よく見ると…中森さんの服装は昨日と同じ……
「と…まった?陣ヶ岡さんの所にですか?」
中森さんは、当たり前のように「そうだよ」と、俺に答えると…コーヒーを飲んだ…
俺を、運んで―――――…そのまま…
「……泊まっただけですか?」