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ミニスカート

第8章 開国港の休日

姉がたぬ吉をまじまじと見る。
「な、何?」たぬ吉は少しドキドキする。性格はキツイけど美人だし・・・

「ちゃんと父親目線だな。えらい、えらい」
姉は豪快に笑う。父親目線の他にどんな目線がと思うと「たぬ吉はロリコンだからな」とからかわれる。

「いくらなんでも未就学児は・・」
「就学したら狙うんかい」
「きゃはは、ママに似ていい女だからね」
とバツ2さん。大丈夫、いつまでも父親目線で見るよ。

「ところで、さっきあたしに見つめられてドキドキしただろう。きゃはは」
と、忘れた頃に姉がツッコむ。
「えっ、そうなの?たぬちゃん」
とバツ2さん。今度は少し妬いているようだ。肯定も否定もできない・・たぬ吉は娘の毛布をかけ直してあげる。大人のやりとりを聞いているのか娘は嬉しそうな笑顔を浮かべる。

「きゃはは、誤魔化してる。きゃはは」

飲みは盛大に続いて深夜0時になった。
襲われたら心配と急に女性をアピールする姉を、襲われはしないよとも言えずに送りながらたぬ吉は1時間もかけて歩いて帰宅した。

途中でコンビニに寄ってビールを買ってバツ2さんと娘のことを想いながら飲みながら歩いた。

翌日、土曜日。
「う~、頭痛い~。何もいらない~」
二日酔いのたぬ吉。そりゃそうだろ、0時過ぎても飲んだんだから・・。何もいらないとか言いながら、目覚めの缶ビールは飲む。

今日は知らないアイドルグループしか来ないしなと、たぬ吉は祭に出かけるのが面倒になっていた。二日酔いと寝不足によるだるさと頭痛が原因ではあるが・・

「う~、せっかくの祭だ。う~」
結局たぬ吉は祭に行くことにした。明日はBLACK SHIPに専念したいし、黒船は楽しんでおかなければ後悔する。

頭をかかえながらたぬ吉は1時間もかけて市街地へと歩く。歩いているうちに体内のアルコールが浄化されていくようだ。

街に着くと世間一般的にはメインイベントのパレードが始まっていた。
黒船祭は幕末開国の街を再現するのがコンセプトだから、ペリーさんが来た時のようなアメリカ軍人さんたちによるパレードが見所である。

それを幕末風にコスプレした人たちが見学して、街はペリーさんがパレードした時っぽくなっていた。

この祭はアメリカとの友好の意味もあるので、アメリカ軍人さんも招いているし、軍艦の見学もできる。


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