ミニスカート
第11章 キセキの街に最後の恋の旅
昨年のバツ2さんの誕生祭の少し前にたぬ吉の転勤はほぼ確実だろうことが分かった。
たぬ吉との別れの悲しさや寂しさからバツ2さんは誕生祭で飲み過ぎてしまったのだ。せっかくの誕生祭にそんな思いをさせてすまないと思う。
バツ2さんがそこまでショックを受けるとは思わなかった。誕生祭の後に転勤のことを告げるべきだったと後悔している。
「あの時、もうたぬちゃんに会えないと思ってた・・でも、たぬちゃんはこんなあたしを好きでいてくれて、こうして会いにきてくれる」
「バツ2さんこそ、長い間会えないのにボクのこと好きでいてくれてありがとう」
「それじゃあ、行ってらっしゃい、たぬちゃん」
「うん、行ってきます」
たぬ吉とバツ2さんは口づけをかわす。
「行ってらっしゃ~い、たぬちゃんパパ」
こんなに早く起こしては可哀想だと寝かせておいた娘が起きてきてたぬ吉に笑顔を送る、もしかして今のチューを見られちゃったかな?たぬ吉とバツ2さんは顔を赤くしてドキドキする。
「行ってきます」
とたぬ吉は娘の頭を撫でてあげる。
「またね~、たぬちゃん」
夜と言うには遅すぎる、朝と言うには早すぎる、そんな暗闇の中をたぬ吉は出掛けて行った。暗い街だけど、たぬ吉には全然暗くなかった。バツ2さんと娘がくれた光が照らしてくれる。
始発の電車が走り出す。こんな時間の電車にも意外と乗る人はいる。どこか遠くに旅行でもするのかな?たぬ吉のような旅をしている人もいるのだろうか?
しばらく走ると海に朝日が見える。この海は月が美しいことで有名で、単身赴任の時は帰りに電車から美しい月を見たことは何度かあるけど、こうして電車から朝日を見るのは初めてだった。
「いただきます」
昨日の晩御飯にバツ2さんと娘としたのを想ってたぬ吉はいただきますをする。単身赴任が終わってからは誰かにいただきますを言って御飯を食べたことは一度もない。
「美味しい、こんな美味しいおにぎりは初めてだよ」とバツ2さんに語りかけるように言ってたぬ吉は涙ぐむ。バツ2さんの想いと朝日が目に染みたのだろう・・。
ずっとバツ2さんと娘のことを想っていた。
旅に出る時は、行きは楽しみだけど帰りは長い旅になるだろうと思ったのに、かなり遠くまで来た時にもうこんな所までと思うくらいに帰りの旅は早く進む。
たぬ吉との別れの悲しさや寂しさからバツ2さんは誕生祭で飲み過ぎてしまったのだ。せっかくの誕生祭にそんな思いをさせてすまないと思う。
バツ2さんがそこまでショックを受けるとは思わなかった。誕生祭の後に転勤のことを告げるべきだったと後悔している。
「あの時、もうたぬちゃんに会えないと思ってた・・でも、たぬちゃんはこんなあたしを好きでいてくれて、こうして会いにきてくれる」
「バツ2さんこそ、長い間会えないのにボクのこと好きでいてくれてありがとう」
「それじゃあ、行ってらっしゃい、たぬちゃん」
「うん、行ってきます」
たぬ吉とバツ2さんは口づけをかわす。
「行ってらっしゃ~い、たぬちゃんパパ」
こんなに早く起こしては可哀想だと寝かせておいた娘が起きてきてたぬ吉に笑顔を送る、もしかして今のチューを見られちゃったかな?たぬ吉とバツ2さんは顔を赤くしてドキドキする。
「行ってきます」
とたぬ吉は娘の頭を撫でてあげる。
「またね~、たぬちゃん」
夜と言うには遅すぎる、朝と言うには早すぎる、そんな暗闇の中をたぬ吉は出掛けて行った。暗い街だけど、たぬ吉には全然暗くなかった。バツ2さんと娘がくれた光が照らしてくれる。
始発の電車が走り出す。こんな時間の電車にも意外と乗る人はいる。どこか遠くに旅行でもするのかな?たぬ吉のような旅をしている人もいるのだろうか?
しばらく走ると海に朝日が見える。この海は月が美しいことで有名で、単身赴任の時は帰りに電車から美しい月を見たことは何度かあるけど、こうして電車から朝日を見るのは初めてだった。
「いただきます」
昨日の晩御飯にバツ2さんと娘としたのを想ってたぬ吉はいただきますをする。単身赴任が終わってからは誰かにいただきますを言って御飯を食べたことは一度もない。
「美味しい、こんな美味しいおにぎりは初めてだよ」とバツ2さんに語りかけるように言ってたぬ吉は涙ぐむ。バツ2さんの想いと朝日が目に染みたのだろう・・。
ずっとバツ2さんと娘のことを想っていた。
旅に出る時は、行きは楽しみだけど帰りは長い旅になるだろうと思ったのに、かなり遠くまで来た時にもうこんな所までと思うくらいに帰りの旅は早く進む。