恋愛成就の願いごと
第1章 恋愛成就の願いごと
「優花(ユカ)ちゃん、石段の掃除してきて~」
「はーい!」
同じ上が白で下が赤の袴を着た巫女をしている先輩に言われ、竹ぼうきを持ち石段に出た。高校を卒業してすぐ、ここ深大寺で巫女の仕事を始め、二年が経つ。そろそろ仕事にも慣れてきた頃だ。
「ふぅ~今日はいい天気」
空を見上げれば太陽が燦々と輝く。六月の梅雨の時期にしては珍しいことで心が弾む。
周りを見渡せば、参拝客でいっぱいだ。この時期は修学旅行生が数多くいる。
ふと石段の下を見ると、ポロシャツに灰色チェックのズボンという夏用の制服を着た男の子五人組みがいる。こっちを向き、何かを話している。その中の一人がこちらに向かって石段を駆け上がって来た。
「巫女さんっ!」
男の子は、肩で息をしながら私のことを呼んだ。何事だろうか?
「はい」
「巫女さん、可愛いですね!」
「えっ?」
「いや、何でもないですっ!」
男の子は、顔を赤くして、石段を駆け下り、友達の元に戻っていく。罰ゲームか何かなのだろうか? 照れている男の子が可愛らしくて、思わずくすりと笑みが零れ落ちる。
「はーい!」
同じ上が白で下が赤の袴を着た巫女をしている先輩に言われ、竹ぼうきを持ち石段に出た。高校を卒業してすぐ、ここ深大寺で巫女の仕事を始め、二年が経つ。そろそろ仕事にも慣れてきた頃だ。
「ふぅ~今日はいい天気」
空を見上げれば太陽が燦々と輝く。六月の梅雨の時期にしては珍しいことで心が弾む。
周りを見渡せば、参拝客でいっぱいだ。この時期は修学旅行生が数多くいる。
ふと石段の下を見ると、ポロシャツに灰色チェックのズボンという夏用の制服を着た男の子五人組みがいる。こっちを向き、何かを話している。その中の一人がこちらに向かって石段を駆け上がって来た。
「巫女さんっ!」
男の子は、肩で息をしながら私のことを呼んだ。何事だろうか?
「はい」
「巫女さん、可愛いですね!」
「えっ?」
「いや、何でもないですっ!」
男の子は、顔を赤くして、石段を駆け下り、友達の元に戻っていく。罰ゲームか何かなのだろうか? 照れている男の子が可愛らしくて、思わずくすりと笑みが零れ落ちる。