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Tears&smile~大切な思い出~

第1章 Tears&smile~大切な思い出~

「苺ー」

 呼ぶ声がして、苺は振り返る。そこには走って来るパパとママ。

 二人は苺の元へ来ると、抱きしめてくれた。

「ごめんね」

「ごめんな」

 苺は首を横に振る。

「パパとママの離婚は苺のせいじゃないの。ママとパパの勝手な都合で苺に辛い思いをさせてごめんなさい」

「パパ……ママ」

 苺はしっかり二人を抱きしめた。

「ううん、苺こそ勝手に飛び出したりしてごめんなさい。あと、ママ……あんなこと言ってごめんなさい。でも、パパとママ、両方とこれからも会いたい。ずっと離れ離れは嫌だよ」

「うん、うん。分かったわ」

「あと、パパ……プレゼントありがとう。あの時の約束、苺叶えるから。有名なボーカリストになって、テレビとかいーっぱい出るから。だから、応援していてね」

「あぁ、もちろんだよ」

 やっと言えた想いに心がスッと軽くなった。

「じゃあ、帰ろうか」

 パパとママ。そして、その間に苺。たとえ夫婦の絆が無くなったとしても、その間は苺が、苺だけが埋めることが出来るのだろう。

 さっきママに言ったことは撤回。苺は、ママとパパの子に生まれてきて良かった。
 




END
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