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Brilliant Brand blood

第1章 不運なりし侵入者〜満月に照らされたピアノ

息を吸い込み、息を吐く。
6名共に。
誰もが平静を保っていた。

しかし、身体の震えは止まらない。

凍った空気に支配され、息をするのが精一杯なのだ。


先程まで奮起していた6名だったが、既に彼らの生殺与奪はグランドピアノの上に居る者に移っていた。



「あぁ、またか、なぁ?せっかく語らう一時のさぁ?時間をねぇ?何で邪魔するのかなぁ…」

むくりと身体を起こし、やけにのんびりとした口調で一人ごちる。
身体が凍える空間の中、吐く息を白く染めることなく、一つの大きな欠伸をした。

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