Brilliant Brand blood
第1章 不運なりし侵入者〜満月に照らされたピアノ
ジッと彼方此方に設置された燭台に灯る蝋燭の火が揺れる。
ツーッと汗が流れた。
と同時に、彼が6名に向き合うように座り直す。
「なぁ?なんのつもり?」
誰にともなく問いかけた。
「俺ねぇ、寝起き悪いわけじゃないよ?流石にそれはねえなぁ、うん。でもさぁ?これは無くない?ってこれデジャブ?」
つらつらと語る口調はやはり、何の気負いも感じられない。
いっそ、優しささえ感じられた。
「前にも何回か言ったなぁ?はーっ、っとに、何べん言っても解んないのかなぁ?」
彼が語る内容を、6名は頭の何処かで理解していた。
今までの仲間が襲撃する度に言ってきていた内容なのだと。
幾度、言っていたのかを、彼は語るまい。そして自分達も知ることはないのだ。
グランドピアノに座る碧い服を纏う彼は…その右手に青白い光を放つ氷りを握っていた。
静寂により、耳の奥が鳴る。
痛みを伴う電波に似た音を聴いている錯覚を覚え、腕の震えを止められず、6名は、
見開いた眼に彼の、底冷えするほどの視線を最期に、意識を無くした。
カララ…
ガラン…
カツーン…
聖堂を模した一室に、持ち手の無くなった武器が落ちる、乾いた音だけが響いた。
その音を聴いたのは、崩れた天井からグランドピアノに注がれる、満月の光だけ。
グランドピアノの上には、満月の光だけが変わることなく照らされていた。
ツーッと汗が流れた。
と同時に、彼が6名に向き合うように座り直す。
「なぁ?なんのつもり?」
誰にともなく問いかけた。
「俺ねぇ、寝起き悪いわけじゃないよ?流石にそれはねえなぁ、うん。でもさぁ?これは無くない?ってこれデジャブ?」
つらつらと語る口調はやはり、何の気負いも感じられない。
いっそ、優しささえ感じられた。
「前にも何回か言ったなぁ?はーっ、っとに、何べん言っても解んないのかなぁ?」
彼が語る内容を、6名は頭の何処かで理解していた。
今までの仲間が襲撃する度に言ってきていた内容なのだと。
幾度、言っていたのかを、彼は語るまい。そして自分達も知ることはないのだ。
グランドピアノに座る碧い服を纏う彼は…その右手に青白い光を放つ氷りを握っていた。
静寂により、耳の奥が鳴る。
痛みを伴う電波に似た音を聴いている錯覚を覚え、腕の震えを止められず、6名は、
見開いた眼に彼の、底冷えするほどの視線を最期に、意識を無くした。
カララ…
ガラン…
カツーン…
聖堂を模した一室に、持ち手の無くなった武器が落ちる、乾いた音だけが響いた。
その音を聴いたのは、崩れた天井からグランドピアノに注がれる、満月の光だけ。
グランドピアノの上には、満月の光だけが変わることなく照らされていた。