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Brilliant Brand blood

第3章 宵の果てに置いた記憶

食事場に入るとカチャカチャ、音を立てながら片付けるたつの姿があった。
しかしいつもなら上座を我が物顔で死守する奴がいない。



「たつ?あいつどうした?」
忠「ヨコ君?もう食い終ったで、ヒナちゃん遅いから〜言うて先食うわ〜って」
「え、ホンマ?」
忠「おん♪」





何やら肩透かしを食らった気分だ。
いつもならブツブツと文句を言いつつも、一緒に食べたがる奴が……

「どないしたんやろ?あいつ」



ポツリと口から出た。
たつが食器を持って炊事場に向かう。と、
忠「あ〜そうやった。ヨコ君に使いが来たで?それで"もうオレ食うわ〜"って言うたわ」
「使い?」






またも珍しい。
オレん家にヨコの使いが来るなんて、どれぐらいぶりだ?
ちょくちょく入り浸るヨコに比べ、何故かヨコの世話をする奴はあまり自分に関わりを持とうとしない。
以前聞いた覚えはあるのだが、

はぐらかされ、拗ねた。

未だに理由を知らない。








また拗ねても良いだろうか?
やっと決心固めた内に顔を見ようと思った矢先、"とっくに食べ終えた"なんて聞いて。



「オレの決心、何やったん?」


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