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お嬢様と二人の執事

第4章 二人


神山の厚い唇が落ちてくる。

何度も何度も落ちてくるその唇が、生み出す熱が沙都子に愛していると告げる。

その熱に沙都子は包まれ言い知れぬ幸せを感じていた。

求めるだけでも求められるだけでもない…お互いの気持ちが重なった果てにある情事の快楽に酔った。

「神山さん…」

身に纏ったままの神山の服を爪を立てるように握りしめたまま、頬を朱にそめた沙都子が何かを伝えるように呟く。

「悟です、沙都子様」

「悟…」

「どうされましたか?沙都子様」

「沙都子と…。あのっ、私だけ…なんて恥ずかしい…」

「あぁ…では…貴女の手で脱がせてください」

消え入りそうな声で言う沙都子に神山が余裕たっぷりに返す。

「私が?」

「ええ、もちろんこのままでよければ構いませんが?」

微笑む神山に沙都子は意を決したように手を伸ばす。

自らの唇を神山のそれに押しつけ、舌を出して唇を舐めると神山の口内に舌を進める。

先ほど高宮から施されたキスを神山にする。
自分が感じた快感を神山に伝えるかのような沙都子の動きに神山は翻弄される。

その間に沙都子は震える指で少しずつ神山の洋服を剥いでいく。

それはまるで、神山の沙都子への思いを封印するために纏ったいた鎧を剥ぐようだった。

服が一枚剥がれるごとに神山の本心が見えてくる。

そこにあるのは主従をこえた一人の男としての想い。

燃えるような想いが溢れ出る。

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