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お嬢様と二人の執事

第14章 遠い道

だが、どうすることもできずに居る。

神山と高宮のことを隠すことは難しい。

その上での結婚など、沙都子にはかんがえられなかった。

しかし、二人のことを理解した上で結婚してくれる男性など、この世の中に居るとも思えなかった。

神山と高宮のどちらかと結婚することなんて考えていなかった。

どちらかと結婚すれば、必ず歪が出る。

そんな関係は沙都子の望むものではない。

一生、二人を平等に愛していくと決めたのだから。



「沙都子様。準備が整いました」

神山が沙都子の部屋に入ってくる。

「ええ。智紀さん、大丈夫だった?」

「問題ございません。今日は温かいので、サンルームにお茶をご用意いたしました」

「そう。サーブは高宮がするから、神山は今日は席につきなさい」

「いえ…私は…」

「お願い。知らない男性と話すのは、怖いのよ」

そう言って沙都子はウインクした。

「沙都子…」

「どうしても嫌なら、軽井沢から城を呼ぶわよ」

「それだけはご勘弁ください…」

苦笑いをして神山は沙都子に腕を差し出した。

「ではそこまでエスコートしましょう」

「あら、光栄だわ」

するりと腕を回すと、沙都子は神山を引き寄せて強引にキスをした。

「悟…愛してるわ」


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