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お嬢様と二人の執事

第3章 もう一人の執事

既にそこは、熱く滾っていた。

ベルトを外すと、手を入れ己を握りこむ。

なぜこんなことをしているのか、高宮はわからない。

嘘でいい。

沙都子に愛を囁いて、神山ではなく自分が沙都子の隣に立つ。

たったそれだけでいいのに。

なぜ自分は沙都子で自慰をしているのか。

「う…」

いつもと同じようにしているのに、何故か声が出てしまう。

「沙都子…」

名前を呼ぶと、身体が熱くなった。

額に汗を散らしながら、高宮は目を閉じた。

沙都子…沙都子様…

快感に正直に反り返った背中。

その白い肢体。

汗で玉のように光る肌。

そしてあの切ない声…。

全てが高宮を刺激した。

「あ…あぁ…くっ…」

沙都子が達した瞬間を思い出し、一緒になって高宮も熱を放った。

ティッシュで拭くことも間に合わず、自分の手のひらに大量に精子を纏わす。

それを見て、驚いた。

一体、これはどうしたことだ。

いつもの自分らしくない行動に、高宮は戸惑った。

頭を振ると、後処理にとりかかる。

服を全て脱ぎ散らして、シャワーを浴びる。

熱い湯を浴びながら、高宮はまだ混乱している。

沙都子の顔が頭から離れない。

一体、今まで体験したことのないこの感情をどう処理すればいいのか…。

熱い湯は、なにも解決してはくれなかった。

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