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お嬢様と二人の執事

第3章 もう一人の執事

「沙都子様…必ず貴女を私のものにしてみせますよ…」

高宮は唇の端をあげ、冷たくも見える笑みを浮かべると、そっとドアを閉じた。

高宮の望みは、この東堂グループだ。

神山のように、沙都子を求めているわけではない。

敏感な高宮は、とうに神山の気持ちに気づいていた。

「神山さん…アンタ、甘いんだよ…」

つぶやくと、表情が一変し、眉間に影ができた。

辛いことでもあるかのような表情だ。

このような表情を、他の使用人が見たならば、驚くだろう。

それ程、普段の高宮は他人の前で本音を見せない。

人気のない館の廊下を、そっと滑るように高宮は歩く。

自分の部屋に入ると、ベッドに身体を投げ出した。

「沙都子…」

手のひらを見つめ、先程見た沙都子のバスローブの間から見えた、谷間を思い出す。

服を着ていると分からなかったが、豊かな胸を持っていた。

白い肌が透き通るようで…。

べろりと高宮の舌が、自らの唇を舐めた。

あの肌を、桜色に染めたい。

自分の手で喘がせたい。

暗い衝動が突き上げてくる。

脳裏に、ドアの隙間から覗き見た痴態がはっきりと浮かぶ。

靭やかな足が、神山の色白な背中に絡みつくようだった。

その綺麗なラインを思い浮かべ、高宮は自分の股間にそっと手を這わせた。

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