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お嬢様と二人の執事

第4章 二人

高宮との情熱的な一夜が明けて、気怠い身体をベッドから起こした。

沙都子は暫く、昨夜のことを思い起こしていた。

また、男が私の身体を通り過ぎていった…。

レクチャーとはいえ、こんな短期間にふたりの男に抱かれてしまった。

沙都子の心は、荒んでいた。

もう男なんて信用出来ない。

欲望をぶつけられるだけなんて、まっぴらだ。

ぎゅっと手を握り、外に目をやる。

静かな怒りが、宿った瞳だった。

寝室の扉をノックする音が聞こえる。

「はい」

「神山でございます」

「えっ…」

「…入ってもよろしゅうございますか?」

「どうぞ…」

静かにドアを開けて、神山が一人ではいってくる。

「おはようございます」

「おはよう。貴子と優子は?」

「居間で控えております」

「そう。高宮は?」

沙都子の物言いに、神山は驚きを隠せない。

あんなに人を呼び捨てにできないと言っていた沙都子なのに、この変わりようだ。

「…高宮は、本日は風邪を引きまして…」

「そう。医者に行くよう伝えておいて」

「畏まりました」

「貴子と優子を呼んで。着替えるわ」

「はい…」

突き放すような言い方だった。

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