お嬢様と二人の執事
第4章 二人
「神山」
驚いて振り返った神山に、沙都子は冷たい目線を投げつけていた。
「今日のレクチャーは、お前なの?」
「はい…?」
「とぼけないで。昨日は高宮をよこしたでしょう?」
「なんのことでしょう…」
「汚いのね…」
吐き捨てるように沙都子は言い放った。
「昨日、高宮が私を抱きに来たわ。あなたに言われたと言ってね」
「えっ…」
「今日は高宮が風邪だから、あなたが来るんでしょう?」
「そんな…」
沙都子の口から出てくる言葉に、神山は衝撃を受けた。
まさか…高宮が…。
「沙都子様…」
「今日は、あなたが来なさい。いいわね」
きっぱりと言うと、背中を向けた。
「…かしこまり、ました…」
寝室を出ると、貴子と優子に頷きかける。
ふたりのメイドはぱたぱたと沙都子の寝室へ入っていく。
パタンと扉が閉まると、神山は壁に寄りかかった。
「どういうつもりだ…高宮…」
ぎりっと歯を食いしばると、目を閉じた。
あの身体を他の男が好きにしたと思うと、居ても立ってもいられない思いに駆られる。
だが、現実はどうだ。
自分は一使用人で、沙都子とは吊り合わない。
自分で始めたことだから、高宮を責めることもできない。
きっと高宮はあの晩の情事をのぞき見ていたのだろうから…。
唇を噛みしめると、神山は部屋を出た。
驚いて振り返った神山に、沙都子は冷たい目線を投げつけていた。
「今日のレクチャーは、お前なの?」
「はい…?」
「とぼけないで。昨日は高宮をよこしたでしょう?」
「なんのことでしょう…」
「汚いのね…」
吐き捨てるように沙都子は言い放った。
「昨日、高宮が私を抱きに来たわ。あなたに言われたと言ってね」
「えっ…」
「今日は高宮が風邪だから、あなたが来るんでしょう?」
「そんな…」
沙都子の口から出てくる言葉に、神山は衝撃を受けた。
まさか…高宮が…。
「沙都子様…」
「今日は、あなたが来なさい。いいわね」
きっぱりと言うと、背中を向けた。
「…かしこまり、ました…」
寝室を出ると、貴子と優子に頷きかける。
ふたりのメイドはぱたぱたと沙都子の寝室へ入っていく。
パタンと扉が閉まると、神山は壁に寄りかかった。
「どういうつもりだ…高宮…」
ぎりっと歯を食いしばると、目を閉じた。
あの身体を他の男が好きにしたと思うと、居ても立ってもいられない思いに駆られる。
だが、現実はどうだ。
自分は一使用人で、沙都子とは吊り合わない。
自分で始めたことだから、高宮を責めることもできない。
きっと高宮はあの晩の情事をのぞき見ていたのだろうから…。
唇を噛みしめると、神山は部屋を出た。