レモンスカッシュ
第1章 S/N
N side
触れるだけのキス。
そんなんじゃ物足りなくて、
自分から舌を出す。
「ふふ、和。積極的だね?」
「欲し…っい。」
低音ボイスが、耳元から聞こえてきて、
脳までダイレクトに響いてく。
「んんっ、ふっ、あっ。」
翔は甘い甘い蜜の味がする。
くせになる。
やめらんないの。
「下のお口も物足りないよね?」
そう言うと、翔の指がお尻を這っていく。
「あっ、あああ!」
「あ、イった?」
嬉しそうに聞いてくる。
何でそんなに楽しそうなのよ。
…俺も楽しんでるけどね?
「可愛いなぁ、もう。」
「…ぁ、あっ、ふぁぁ。」
四つん這いになってる俺を、
後ろから抱きしめるように
覆いかぶさってくる。
「ね、ココも寂しいね。
だって、ヒクヒクしてるもん。
…欲しいんだろ?」
「やぁ…っ。」
耳を口に含んで、舌先で遊んでる翔。
水音が鼓膜で響いて、
もう何も考えられなくなっていく。
少しぼーっとしてる俺に、
「どこいってんの?」
「ぅあぁあ!!」
一気に3本の指が入ってくるのが分かる。
苦しい。痛い。
だけど、それ以上に
「あぅ、あっ。
気持ち、いっ。」
口からは、何でもぽろぽろと言葉が出てきて。
「柔らかいね…。
初めてじゃないの?」
「あっ、あっ、あぁ!」
グリグリと内壁を拡げるように押してくる。
受け止めきれない程の刺激を、
何とか流そうと体を反り返す。
「初めて、だよぉ…っ。
あああっ。やぁっ。」
「じゃあ何でこんなにトロトロなの?
ねぇ。」
「だって、あっあっ。」
「だって何だよ。」
「自分っで、触った、からぁ。」
「…え?」
もうこの際、羞恥なんて捨ててやる。
「翔が、欲しくて。ずっと、ん、
ずっと欲しっくて。
だから…準備して、たの。」
にやって翔が笑う。
…今度は何させられるのよ。
背中を走ってるのは、少しの恐怖と、
8割の…期待。
「じゃあ、今見せて。」
翔の不敵な笑み。
こうなりゃとことんやってやる。