レモンスカッシュ
第3章 M/O
M side
どれだけ奥を突いたって足りない。
どれだけ求めても足りない。
吐き出しても、吐き出しても足りない。
「あ、あっ、じゅんっ。」
「逃げるなっ。」
「ひゃぁっ。逃げて、なぃいっ、ああっ。」
少しの隙間さえも、寂しくて。
少しでもくっついていたくて。
そんな事を考えてる俺の腰は、ズンズン動いてく。
「あ…あぁっ…。」
「んっ…智っ。」
手を伸ばせば、届く距離にいる。
誰よりも深く繋がれる。
誰よりもそばにいられる。
離れて気が付いたんだ。
どれだけ智が必要なのか。
どれだけ智が俺を必要としていてくれたか。
どれだけ自分の夢を支えてくれてたか。
演出をしたいって時、誰よりも応援してくれた。
誰よりも味方になってくれた。
それがどれだけありがたい事だったか。
「あっあ、も、だめ、だめっ。」
「いいよ、イって…。」
「やぁあっ。…っあ。」
繋がる音からは、卑猥な音が聞こえてくる。
荒い息が部屋を包む。
智の甘い声が、俺の体まで溶かしてく。
いつまでも繋がっていたいけど、終わりは必ずくる。
「も、ほんっとに、ダメ、ダメっ。」
「これで、最後ねっ。」
「あああっ。」
きゅっと搾り取るように、智の中が蠢く。
その締め付けに持っていかれて、俺も智の中に放った。
「はぁ…、潤…。」
「…ん?」
「気持ちよかった…。」
うっすら額に汗を浮かべて、水分を含んだ瞳で俺を見て。
…すぐに煽るようなこと、するんだから。