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レモンスカッシュ

第4章 M/A


A side



「げ…。」


1学期最後の授業も終わって、担任からの話も終わって。
明日は終業式だ、ってクラスはお祭り騒ぎになってるところ。


「相葉。」

と、担任の翔ちゃん…もとい、櫻井先生に呼ばれて1枚の紙を渡されたところ。



「やっぱりかぁ…。」


俺の手には、化学の補習の知らせのプリント。



「うわ、雅紀、もらったの?」
「うう、大ちゃーん!」
「あらあら可哀想に。何でまた化学が?」
「だって、レポートの提出がほとんどじゃん?俺、ほとんど出来てなかったから…。」


俯き気味に言えば、全てを察してくれたらしく、それ以上は聞いてこなかった。


1年の時からの友達の大ちゃんは、何でも知ってる少ない理解者だ。

あとは、担任の翔ちゃんと。



「まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないのにな。」
「でも、そんな事情通らないだろうし…。

まずいなぁ、夏休みが1番忙しいのに…。」
「何かあったら言ってよ?」


優しい大ちゃんに励まされて、少し気分が浮上する。

ほんとにちょっとだけだけど。



「はぁ…。」


ここから1ヶ月、鬼のような補習授業は、俺のため息とともに始まる訳だ。

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