レモンスカッシュ
第4章 M/A
Mside
「え~だめぇ~?」
「下校時間過ぎてんだよっ」
「だってぇ、政経補習になったか聞きたくて~」
「おめでとう。晴れて補習だよ。」
「やったぁ!
これで翔ちゃんと教室に2人っきり…」
「お前、襲うなよ?」
「保証はできませーん」
二宮はくふふ、と笑いながら出て行った。
二宮は櫻井先生が好きだという。
だったら真面目に授業受ければ?
…と言いたいところなのだが、わざと目を付けられるために寝たふりをしながら、櫻井先生を観察している、らしい。
翌日、終業式。
自分のクラスのHRが終わり、化学準備室で相葉の到着を待つ。
「失礼します…」
遠慮がちなノック音の後に現れた、
…若干泣きそうな、相葉。
「待ってたよ、そこ座って?」
「すいません…」
「そんな怯えないでよ、ちょっと傷つくから(笑)」
砕けてみると、
…ちょっと柔らかくなった表情。
「いくつか確認したいんだけど、元素記号は20番まで言える?」
「えーと、アルゴンまで…ですか?」
「うん。じゃあ、36番までは…」
「分からないです…」
「そっかじゃあまず、それを覚えてきて。1番から36番までと金銀鉛の場所。」
「…はい…」
その後いくつか課題を出して、最初の日程を一週間後に設定して、別れた。
相葉の出た後の準備室は…
なんだか寂しく感じた。
『潤~?メシ行こうぜ?』
という内線が入ったのはそれから一時間後のこと。
「あ、旬?今からでるわー」