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レモンスカッシュ

第4章 M/A

その日の夕方、櫻井先生がお見舞いにやって来た。


「おー、相葉大丈夫かぁ?」

「あ!翔ちゃん久しぶり!
平気です、へーき。」


「マジで?」


櫻井先生の後ろからチラッと顔を覗かせたのは、

「あ、二宮も来たのか。
まさ…相葉、ウチのクラスの二宮。倒れた時の第一発見者だから、」

「あ、ありがとうございます。」


ベッドから体をあげてペコッと頭を下げる相葉。

「せんせー今、相葉くんのこと下の名前で呼ぼうとしたでしょ?」

「うるせー聞き間違いだろ!」

「あの…二宮さんって、アノにのりん先輩ですか?」

俺と櫻井先生が目を合わせて、?な顔をしていると…


「…っそうだけどっ…」



顔も、ついでに耳も真っ赤にしてる二宮。



「えーっと、ナニソレ?」

櫻井先生が驚きすぎて若干片言で相葉に聞くと、


「えー?有名ですよ、後輩には。にのりん先輩は…」

「あーっお前絶対それ以上言うなよっ!」


全力で相葉を遮る二宮。


「落ち着けって、かず。」

苦笑した櫻井先生が二宮を抑えつつ、“頭ポンポン”をすると、



さっきの数倍、顔と耳を赤くした二宮が、櫻井先生の後ろに隠れた。



「…あれ?翔ちゃん二宮さんと付き合ってるの?」


「な、なんで解ったんだよ…」


「だって今、“かず”って」


「それ言うんだったら、相葉くんだって松本先生と…」


「わぁーっ言うな言うなそれ以上…っ」





もはやぐちゃぐちゃな病室。


通りかかった看護師さんに注意されて、


…みんなで黙る。

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