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恋空予報

第13章 新生活

二宮side




「ん…」




窓に体を押し付けられて
雅紀とキスを交わす。


ぐいぐい肩を押すけど
俺の力じゃ雅紀に敵わないわけで。



「…ニノちゃん…」



うなじに雅紀の唇の感触がする。


ぴくんっと体が動いて
反応するのが止まんない。



「あっ、まさっ…」

「…かわい」



ちくっとした痛みが
首筋に走る。



「俺のニノちゃんだから…」

「ばかっ…そんなんしなくても
もともとお前のもんだよ…」



ちょっと怒り気味に言うと、
雅紀は優しく笑った。



笑った、って思ったら
今度は抱き締められた。



「なんだよっ」

「…ニノちゃんは俺のだからね…」




…いちいち確認しなくたって、
俺は初めて会ったときから
雅紀のもんだったんだよ。



おっちょこちょいで天然な
お前に惹かれたんだよ。




「…ご飯より、
ニノちゃんが食べたいかも…」



雅紀が首を傾けて
俺にキスした。




…なんか、緊張する…



力がどんどん抜けてって
ずるずると落ちていく。



「帰ろっか…」



雅紀が俺からすっと離れて
カバンの整理を始めた。



俺は特になにも持ってきていなかったから
雅紀の準備ができるまで待っていた。




「…待たせたね。
行こっか。」

「ん…」

「手」



出してって言うように
俺の目の前に差し出された大きな手。



…大好き。


雅紀の背中を見て
小さな声で呟いた。

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