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恋空予報

第3章 恋

二宮side



「その、大丈夫だぞ。」

「んぅ…にぃに…?」


そのがやっと落ち着いてくれた。


…どうしよ


留年するかも…


はぁ、だから、高校なんて嫌だったんだ。



「にぃに、おなかすいたぁ…」

「あ、ごめんな。
何食べたい?」


そのはうーんと考え込むと、
急にぱっと明るく笑った。



「うどん食べたいな!
おうどん!かまぼこいれてね!」

「はは、そのはうどん好きだな。
いいよ。じゃあ、ここで待っててね?」


そのをソファーに座らせて、
キッチンに向かう。


好きなうどんで、喘息なんて
治っちまえばいいのに…


そのだけは幸せになって欲しい。


人参を花形に切る。

そのが、喜ぶから。



「そのー、うどんできたよ。」

「やったぁ!
にぃに、大好き~!」


そのが俺に抱き付く。

…ありがとう。

こんなばかな俺を許してくれ…



「にぃに?たべないの?
あ、そのがふーふーする?」

「ん?大丈夫だよ。
その、食べな?」

「はーい」


そのがちゅるちゅると
うどんを啜る。


…あぁ、どうして?


神様はこんな残酷なことができるの?


いるんだったら、そのの
病気くらい、簡単に治せるでしょ?


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