
恋空予報
第16章 旅行
家についたら
もう暗くなってて。
夕飯の時間になってた。
「今から作るね」
「…要らない。」
雅紀はエプロンの紐を
ほどいて俺を抱き締めた。
「なんだよ、もう…」
「だーかーらー、
ご飯は要らないの。」
紐がほどけたエプロンを
俺から奪い取った。
そしたら、そのエプロンは
パサッと音を立てて床に落ちた。
「もー、どんだけ
甘えん坊さんなの?」
「…明日から仕事だよぉ…
ニノといる時間少なくなるぅ…」
…なんだそのかわいい理由。
だからいちゃいちゃしたいってわけ?
「もー、仕方ないなあ。
ほら、まさ…まあくん、おいで。」
ソファーに雅紀を誘導して
俺は手を広げた。
そしたら雅紀は
俺の腕の中に入ってきた。
「ニノだぁ♪」
「もー、今日だけだよ?」
「とか言いながら
いつもしてくれるじゃん」
「あ、バレた?」
雅紀は幸せそうに
本当に幸せそうに笑う。
…かわいいなあ。
雅紀の幸せそうな顔を見ていたら
なんだか胸が温かくなった。
「…まあくん?
寝ちゃったの?」
声を発しなくなった
雅紀の体を揺さぶると
すぅすぅと規則正しい
寝息が聞こえた。
…まったく、子供じゃないんだから…
身長の割に軽い雅紀を
おんぶして寝室に寝かせた。
…今日はシャワーだけでいいや。
