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恋空予報

第17章 幸せの形






…やっぱり心配なものは心配で。


いつもはしないミスの連発。

文字の打ち間違え、
印刷量のミス。


部長に心配されまくり。

さっきまで叱られてたのに。



「大丈夫か?
疲労か?」

「あ、いえ…」




気を遣わせちゃ悪い。


明日は大事な取り引きが
あるんだから。


俺の勝手な都合で
予定を変えるわけにはいかない。

我慢してる人だって
いるんだろうし。




けど、やっぱり雅紀のことは
心配で仕方なくて。


キーボードを打つ手の速度が
だんだん落ちる。


…早く会いたい。


そう思うほど、
仕事が進まなくて。



集中しようと思っても、
雅紀のことばかり考えて。


気分転換に携帯を開いても
雅紀に連絡しようとしちゃうし。



…雅紀に脳内支配されてる。



うーん…。

早く会いたい。


けど、今の優先順位は
仕事・雅紀・趣味だから。



もう少し。

あと少し頑張ろう。


あと三時間後は
定時の時間だ。


頼まれた仕事だって
しないといけない。


洗濯もご飯も掃除も。


やることはたくさんある。



頑張れ、俺。




俺はやる気を出すために、
自分の頬をぱしっと叩いた。

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