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恋空予報

第17章 幸せの形






「ただいまー…」



俺が寝室のドアを開けると
怠そうに横たわる雅紀がいた。



「ニノぉー…。」

「はいはい、なに?」



雅紀の頭を撫でながら
俺は袋から冷えピタを取り出した。



「喉乾いたあー…」

「ん。」



袋の中を漁っても、
容器が見つからない。


…あ、買ってくるの忘れた。



「ごめん、雅紀…。
買ってくるの忘れた。」

「ごほっ…そ、かあ…」



雅紀は辛そうに笑った。


その顔を見てたら、
なんだか切なくなって。



「ニノ、麦茶取ってきてくれる?」

「あ、うん。」



冷えピタを枕元に置いて
俺は冷蔵庫のあるキッチンまで
足早に歩いていった。


冷蔵庫を開けると、
雅紀の言った通り、
麦茶が二本並んでた。



「雅紀、はい」

「んぅー…。」



ペットボトルのふたを開けて
美味しそうに麦茶を飲む雅紀。



…その姿を見てたら、
朝のことを思い出しちゃって。



「ね、ニ――「ごめん…」



俺は雅紀の上に馬乗りになって
押し付けるように唇を重ねた。

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