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黒猫ニーノと相葉さん。

第8章 青い『×』のサイン。

「あのー、お取り込み中申し訳ないんですけど、」


「わっ、翔ちゃん!」
「翔さんっ!」


翔さんに、
全部見られてた……。



 

「なんだぁ、新野くんて意外と積極的なんだね?」

相葉さんが鍋の準備をしている間
翔さんがぼくに小声で聞く。


「や、あれは違くて…!」

キスしてるとこバッチリ見られちゃったし
なんかぼくがイケイケに思われてるみたいだけど
実際はその逆だから!



「積極的になれたら苦労しませんて…、」

つい、ポロッとこぼしたほくを
翔さんはジッと見つめていた。




「ニーノ!ちょっと手伝って!」

相葉さんに呼ばれて行こうとしたら


「俺、手伝うよ!」

翔さんが行ってしまった。



キッチンで仲良く並ぶ二人の後ろ姿を見てたら
胸がチクッと痛んだ。


「あ、お風呂掃除するの忘れた!
してくるね!」


「後でいいよー?」


「今してくる!」



逃げるようにバスルームに向かった。

ホントはお風呂掃除ならとっくにしてあるけど。
翔さんにまでヤキモチ妬くなんて
どうかしてる。


「逃げてばっかだな、ぼく…」


無意味なシャワーの音だけが
浴室に響いていた。

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