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黒猫ニーノと相葉さん。

第8章 青い『×』のサイン。

「あっ、そうだ。
こっちは、新野くんに。」


「ぼくに?」


翔さんが差し出してきたレジ袋の中には
オシャレな瓶のお酒。

「スパークリングワインだよ。
お酒なのにジュースみたいな味わいで
お酒に弱い女の子にも人気なんだって。」



ははっ。
女の子、ね…。

気持ち的には複雑だけど
ありがたく戴いた。





ー ガチャッ ー


「ただいまぁ」


相葉さんが帰って来た!!!

翔さんがいるのも忘れて
ダッシュで玄関に向かう。


「お帰りなさい相葉さんっ!」


衝動的に抱きついてしまった。


「ただいま、ニーノ。」


いつもと変わらない
優しい相葉さん。

この優しさに甘えちゃいけない。
ちゃんと言わなきゃ。


「今朝は、可愛くないこと言ってごめんなさい。
ごはん、ちゃんと食べたよ。
美味しかったよ。
ありがとう、相葉さん。」


「気にしないの。
ちゃんと食べてくれたんだね。よかった。」

そう言って
ぼくの髪をクシャっとして
リビングに行こうとするから


「あのっ…!」

「んっ?」


チュッ。

背伸びしてお帰りなさいのキスをした。


「今のはお帰りなさいのキス。
それから、」


チュッ。

もう一度キスをする。


「これは朝の分。」


恥ずかしくなって俯いたら
『ありがとう。』
って相葉さんもキスをくれた。

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