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黒猫ニーノと相葉さん。

第8章 青い『×』のサイン。

湯船の中でも
ニーノは俺に抱きついたまま離れなくて
それどころか煽るように
舌を絡めてきたり
身体中を撫でてきたりして
『早く出よう』
って催促する。




「ねぇ、ニーノ、何か焦ってる…?」


髪を撫でながら聞いても
ギュッと唇を噛み締めたまま答えない。




前にニーノがポロッと口にした
『相葉さんに愛されないと、ぼくは…』
という言葉。

カレンダーの×印の青。

その他にも
気になる点は幾つかあった。





「出ようか」

ニーノをお姫様抱っこしたまま浴室を出て
脱衣所で一旦下ろし
タオルを取ろうと背を向けた時
バタンッ、という鈍い音がして
振り返ると
ニーノがそこに倒れていた。


「ニーノ?ニーノ!大丈夫?! しっかりして!ニーノ!」



さっき湯船で充分に温めたはずなのに
ニーノの身体は冷え切っていて。


「ニーノ!」


急いで身体を拭いて
着替えさせた。


何の反応も無い。

意識を失ったまま
尚も身体は冷たくなっていく


「やだ…ニーノ…!」


ベッドに運んで毛布に包み
背中をさすり続けた。

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