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黒猫ニーノと相葉さん。

第8章 青い『×』のサイン。

「ニーノ!俺だよ!わかる?ここに居るよ!」


焦点の定まらない目で
左手を差し出すから
両手でしっかりと包んで握りしめた

あんなに冷たかった指先が
次第に熱を取り戻していく。



『にゃーーーーぉ』


心配そうにニーノを見つめるジェイが
ニーノの顔のすぐ横で丸まって
尻尾で頬を撫でた。



「ニーノ…」





「あり…が…とう……。」


「え…?」




「ぼく…を………あい、して…くれて…
ありが…とう……」



「何言ってんの、ニーノ
そんな…そんな、別れの言葉みたいなの言うのやめてよ…!」



ニーノの頬が
フッと緩んだ




「泣かないの…」

「だって、だって、ニーノがそんなこと言う…からっ…」






「あいしてる…」


「俺だって愛してるよ!」





『あいしてる。』
そう言うとニーノは
また静かに目を閉じた。

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