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黒猫ニーノと相葉さん。

第8章 青い『×』のサイン。

「ニーノの、相葉さんに対する愛が深かったからだよ。
あんたの笑顔を取り戻したい、って言うから
オイラはその望みを聞き入れたまでだ。
相葉さんを笑顔にできるニーノになるように
魔法をかけた。
そしたら人間になっちゃったってだけ。」

「ニーノ…」


俺が二宮さんにフラれたあの日
酷く落ち込んでいたのを
ニーノは側で見ていた。

だからなんだね。

だから、俺を笑顔にしたいって…。



「ニーノは
ずっとこのまま、人間のままで居られるんですよね…?」




「…あんた次第だよ、相葉さん。」



「俺次第…?」

「これ以上は言えないけどな。」


「じゃあ、さっきの、記憶を消す、って言うのは何なんですか?」

翔ちゃんもここぞとばかりに聞く。



「俺たちは本来、人間に姿を見せちゃいけないの。
でも見られちゃったからね。
見た人間からその記憶を消すしかないのよ。」


「消える記憶は…大野さんのことだけですか?」


「大野じゃなくて、オーノ!
今話したことも全部、だな。」


「ニーノと過ごした一ヶ月の記憶は…
消えないですよね…?」



「今はね。


それも…今後はあんた次第だよ、相葉さん。」

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