黒猫ニーノと相葉さん。
第10章 さよなら、相葉さん。
相葉さん
あんなに怒鳴って
泣いて
理由はわからないけど
きっとぼくのこと嫌いになっちゃったんだ
『咬んじゃった
相葉さんのこと…』
痛かったかな
痛かったよね
ぼくのココロとおんなじ様に。
行く宛もなく
裏路地を歩いた
そうだ
ぼく、お水が欲しかったんだ
滑り台とブランコと
猫の額ほどの砂場のある
小さな公園。
その隅にある水飲み場で
躰を伸ばして蛇口からポタポタと垂れる水を飲んだ
あっ、雨。
あの日と同じだ。
雨の降る公園
その滑り台の下で
段ボールの中で蹲るぼくを
相葉さんが拾ってくれた
相葉さん
相葉さん
ぼくの大好きだった
優しい相葉さんはもう居ないの…?
『ニーノ』
って
笑って抱きしめて欲しかった
『大好きだよ』
って
鼻と鼻を擦り合わせて
言って欲しかった
水溜りにぼくの姿が映る
あっ
首輪が…
ぼくが相葉さんの家族になった印の
赤い首輪が
何故だろう
ぼくの首から消えていた。
あんなに怒鳴って
泣いて
理由はわからないけど
きっとぼくのこと嫌いになっちゃったんだ
『咬んじゃった
相葉さんのこと…』
痛かったかな
痛かったよね
ぼくのココロとおんなじ様に。
行く宛もなく
裏路地を歩いた
そうだ
ぼく、お水が欲しかったんだ
滑り台とブランコと
猫の額ほどの砂場のある
小さな公園。
その隅にある水飲み場で
躰を伸ばして蛇口からポタポタと垂れる水を飲んだ
あっ、雨。
あの日と同じだ。
雨の降る公園
その滑り台の下で
段ボールの中で蹲るぼくを
相葉さんが拾ってくれた
相葉さん
相葉さん
ぼくの大好きだった
優しい相葉さんはもう居ないの…?
『ニーノ』
って
笑って抱きしめて欲しかった
『大好きだよ』
って
鼻と鼻を擦り合わせて
言って欲しかった
水溜りにぼくの姿が映る
あっ
首輪が…
ぼくが相葉さんの家族になった印の
赤い首輪が
何故だろう
ぼくの首から消えていた。