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黒猫ニーノと相葉さん。

第10章 さよなら、相葉さん。

止まない雨は
ぼくのココロを映し出した涙雨



滑り台の下で
ほくは雨宿りをした



誰もいない
静かな公園

そりゃそうだよね
まだ日が昇る前だ

お天気の日なら
ジョギングをする人達が通ったり
野良猫が集まってきたりするのに



『ひとりぼっちだ…』



寂しさと
悲しみと
空腹がぼくを襲う



お腹、空いたな…

黄色い袋のカリカリ
食べたいな…




雨足がどんどん強くなる
暗い、暗い朝。


今までぼくが居た場所が
どんなにか温かい場所だったのか
嫌でも思い知らされる



『もう帰れないのかな…』



ぼくは野良猫に戻ったんだ
温かい家も無い
優しい家族も居ない


『野良猫ニーノ、か。』


ふふっ。

どうせぼくは黒猫だ
不吉だって人間様に嫌われるんだ
そういう運命なんだ




雨の中をフラフラと歩き始めた。


容赦なく降り注ぐ雨は冷たくて
冷たいと感じるのは
ぼくが生きてるから

生きてるから…






このままぼくは
誰にも見向きもされず
一人で死んでいくのかな

誰にも愛されずに。




愛…?


愛ってなんだっけな…。

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