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黒猫ニーノと相葉さん。

第10章 さよなら、相葉さん。

朝起きてからの経緯を翔ちゃんに話しながら
俺は来た道を戻った


翔ちゃんちは
ジェイが家を抜け出してサッとうちに来れるくらいだから
そう遠くはないだろうと思ってたけど
びっくりするほど近かった



「雅紀?! どーしたんだよ、ずぶ濡れじゃんか」

「ごめんね、こんな朝早くに」

「そんなんいいから。
今、タオル持ってくるから待ってて」



玄関に入って待つと
翔ちゃんがタオルと洗濯かごを持ってきて
ズッシリと重たくなった上着を強制的に脱がせてかごの中に入れた


「髪拭いたらズボンと靴下も脱ぐ!
脱いだらココに入れる!
入れたらリビングへGo!」

「あ、はい。」


上はスウェット
下はボクサーパンツ一丁という
なんとも情けない姿で
いそいそとリビングに上がった


「ぷっ。そのカッコ(笑)」

「だっ…!翔ちゃんが脱げって言うからっ!」

「ふはっ。
ほら。これ履きな?」


部屋着のズボンとモコモコの靴下を貸してくれて。

「ありがと…」

「服は浴室乾燥してるから。
髪、良く拭いてな?
コーヒーでいい?」

「あ、うん。」


朝からテキパキと動く翔ちゃん。
俺の電話で起こしちゃったんだろうに
ホント申し訳ない。

ありがとう、翔ちゃん。

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