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黒猫ニーノと相葉さん。

第10章 さよなら、相葉さん。

「で、結局見つかんなかったわけか」

「うん…
ジェイならニーノが行きそうな場所わかるかなって思って、それで連絡したんだ」


コーヒーをゴクリ、と飲み込むと
ホッとするほろ苦さが口の中いっぱいに広がった。


「なるほどね。
ジェイ!おいで。」

テーブルをコンコンと叩くと
ジェイがキャットタワーから飛び降りて
翔ちゃんの側にトコトコと歩いてきた。


「協力してくれるか?ジェイ。
ニーノくんが今どこにいるか、教えてくれる?」


『にゃーぉ』


「もうすぐ雨も止むだろ。
そしたらジェイ連れて表に出てってみるか」

「ごめんね、翔ちゃん」

「バカ。言うなら『ありがとう』って言えよ。
頼むぞ?ジェイ。」


翔ちゃんはふわりと笑うと
ジェイをひと撫でした。



「しかしなんで戻っちゃったかなぁ。
今日が一ヶ月目の記念日だろ?」

「うん、
×印には間に合わせたのに…さ、」


「うっそ?」

「ホント。」

「マジで?」

「マジで。」

「マジかぁぁ!やるじゃん、雅紀!」

「でも結局猫に戻っちゃったし意味無いよ!」


「そうかな」

「え?」

「意味無くなくね?」

「だって…」



「雅紀はさ
人間のままでいさせたいが為だけに
ニーノくんを抱いたわけ?」

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