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黒猫ニーノと相葉さん。

第11章 悲しみの涙が乾いたら。

「心配かけてごめんね、翔ちゃん。
昨日も今日も…ホントありがとう」

コーヒーを差し出しながら
相葉さんが櫻井さんに言った。


「気にすんなよ。無事で良かったじゃん。」

「ジェイも、ホントにホントにありがとうね。」


『にゃーぉ。(どういたしまして。)』



『ジェイ、相葉さんに何かしたの?』

『ブッ倒れてるお前を見つけたのは俺だ、バカ!』


『そうだったんだ…。』

『それで、相葉さんが急いで病院に運んだんだよ』



「雅紀、コレ。乾いたから持ってきたよ。」

「あー、ありがとう。
ごめん、俺、翔ちゃんから借りたのまだ洗濯してないや。」

「そんなんいつでもいいって。」



『病院に一日入院して
今日は日曜で休診日だけど退院してもいいって言われて相葉さんが迎えに行ったんだよ。
翔くんはずっと相葉さんの支えになってくれてたんだぞ?
翔くんにも感謝しろ、バカ!』


『櫻井さんが…』



「ニーノ。」


相葉さんがぼくの名前を呼んだ。


「俺ね、昨日の朝、ニーノが元の猫の姿に戻ってて気が動転してたんだ。
これでもうずっと人間の姿のまま一緒に居られると思ってた矢先だったから…
だからあんな風に怒鳴って悪かったよ…」




人間の姿のまま、って、何?

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