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黒猫ニーノと相葉さん。

第11章 悲しみの涙が乾いたら。

『ほら、側に行ってやれよ。
相葉さんだって自分を責めて苦しんだんだ。』



ソファーから降りて
のそのそと近付くと
相葉さんは足を胡座に組み直した。

ぼくはその上にぽんっ、と乗っかる。



「良かったな、雅紀。ニーノくん、許してくれるってさ。」



「ニーノぉ…」

グスン、と鼻を鳴らして
相葉さんがぼくの首元を
ゴロゴロと撫でた。



ふふ。
気持ちいな。






相葉さんの温もりに抱かれて
ぼくはそのまま眠ってしまっていた。





目が覚めた時にはもう
櫻井さんとジェイは帰ってしまったあとで
相葉さんはぼくを膝に乗せたまま
うつらうつらと船を漕いでいた。


『なーーーごっ。(おーい、相葉さん。)』

「おお、ニーノ。起きたんだ。
俺、座ったまま半分寝てたよ(笑)
ちょっとあっちで横になろうかな。」


ぼくは喉を潤し、黄色い袋のカリカリをお腹をいっぱい食べてから
相葉さんの後を追って寝室へ向かった。


あらら。もう寝てる。
よっぽど疲れてたんだ
もしかして昨日の夜寝てなかったのかな。
ぼくのせいかな…。



ベッドに登って相葉さんの寝顔を覗くと
安心しきった柔らかな表情で
それがとっても綺麗で。


『おやすみ、相葉さん。』


鼻と鼻をくっ付けて挨拶をしてから
相葉さんの傍らで丸くなって
そしてぼくもそっと目を閉じた。

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