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黒猫ニーノと相葉さん。

第11章 悲しみの涙が乾いたら。

相葉さんは慌ててスウェットの袖でゴシゴシ涙を拭くと
バッと起き上がってぼくに背中を向けて
何やらゴソゴソやって


「シャワー浴びてくるっ」


バタバタとお風呂場の方へ行ってしまった。 







「ニーノ」


背後から声をかけられて
振り返るとそこにはオーノ様の姿があった。


『オーノ様!お久しぶりでございます。』

「2日ぶりなんだけどね」

『え?』

「や、なんでもない。
忘れ物取りに来たの」


そう言うと徐ろにサイドチェストの引き出しを開けて
奥の方から一枚のカードを取り出した。



「ふぅ……そうか」

『なにがです?』

「うんにゃ。」


『そうだ、オーノ様。
ぼくって…つい最近まで人間だったんですよね?
みんなから聞いたんですけど。』



「え"」



『どーなんです?』





「あ"ぁーっ!しくったぁぁ!
ニーノの記憶だけ操作しても意味なかったぁぁー!

ま、その通りだよ。
あんなことやこんなことも聞いたんだろ?」


『はい。
あの…なんでぼくはまた元の姿に戻っちゃったんですか?』




「そこなんだよなぁ…」

『え?』




「ごめん!ニーノ!

オイラ、一ヶ月後って言ってたけどさ
正確には4週間後、だったのよ。
申し訳ない。」



まさかの凡ミスですかそうですか…。

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