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黒猫ニーノと相葉さん。

第12章 スーパームーンの夜に。

☆ニーノSide☆



相葉さんが家で食事らしい食事を取らなくなって
なんだかぼくのせいなのかなって。

だから膝の上に乗るのも躊躇してしまって。


どうしてあげることもできなくて
相葉さんがただひたすらにビールを煽る姿を
来る日も
来る日も
ぼくは黙って見ているしかなかった。


だけど挨拶だけは
欠かさずやってくれて

交わす言葉が減った分
相葉さんと鼻を擦り合わせると
それだけで幸せになれた。






そんなある日
相葉さんが珍しく
両手いっぱいに買い物袋をぶら下げて帰ってきた。


あっ。なんか、嬉しそう。



お帰りなさいの挨拶をしながら

「ニーノ。今夜ね、翔ちゃんとジェイが来るよ。」

相葉さんが嬉しそうに言った。



キッチンで料理をする相葉さんの姿を見たのも久しぶりだった。


『なーーごっ。(何作るの?)』


あぁ、揚げ出し豆腐。
それから
相葉さんの得意な
山芋のオツマミだ。めんつゆで味付けするんだよね。





ー ピンポーン ー


「はーい」


テーブルいっぱいに並んだオツマミが
相葉さんのはやる心のうちを表しているようだった。

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