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黒猫ニーノと相葉さん。

第1章 月神様にお願い。

お風呂から出ると
相葉さんがぼくにお洋服を貸してくれた


黒いスウェット。
あっ。これ…


「相葉さんの匂いがする。」

「俺の匂い?」


くんかくんかと相葉さんが匂うけど

「わかんないな。
俺の匂いって、どんな匂い?」


「んーとね、
優しくてあったかい匂い」

「へへっ。そーなんだ」

相葉さんが照れくさそうに笑った



「それ着てると、ニーノって感じがするね」

「黒だから?」

「うん。黒だから。
でもちょっと大きいね?」

相葉さんのスウェットは
ぼくにはブカブカで。
だけど優しい香りに包まれて
なんだかとっても幸せで。



「ニーノ!ごはん、どうしようか?
カリカリは…まさか食べれないよね?」


あんなに大好きだった
黄色い袋のカリカリ。

「…食べれなそう。」



相葉さんが
いつも食べてるパンとミルクとスクランブルエッグとソーセージを
ぼくにも用意してくれた


「美味しいっっ!」

「よかった。」

相葉さんがニコニコ笑うから
ぼくもつられてニコニコ笑う

もぐもぐとごはんを食べてると
相葉さんがスッとぼくに手を伸ばした


「ふふっ。鼻にケチャップ付いてるし
口の周りがヒゲになってる」


ティッシュでそっと拭いてくれて
『子供みたい。』
ってまた笑った。

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