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黒猫ニーノと相葉さん。

第16章 ぼくのおかあさん。

相葉さんに拾われた時
どうしてぼくはひとりぼっちだったのか
おかあさんや他の兄弟はどうしたのか
それが気がかりだとオーノ様に話した




「なんだ。そんなこと?
知りたいんなら教えるけど?」


「え?
オーノ様、知ってるんですか?」


「いや、俺は知らないけど
記憶を手繰り寄せる能力を持った月神見習いなら知ってる。
聞いてやるよ」



オーノ様は懐から青い手鏡を取り出し
それに向かって話しかけた。


「おい、ユーリ!」



『なんです?オーノ様ぁ♡』


鏡の中から声が聞こえる。


「コイツの記憶、手繰り寄せてくんねぇ?」


そう言うと手鏡をぼくの方に向けた。


『いいですよ♪
あ。初めまして!
わたくし、月神見習いのユーリと申します♡』


「ニーノです。
よろしくお願いします」


ペコッと頭を下げると
ユーリさんはニコッと微笑った。



『いつの記憶にします?』

「ぼくが捨てられていた日のことを。」



鏡の中のユーリさんが目を瞑って
顔の前で不思議な形に指を組んだ。



『ダンボールの中に一人でいますね。
ここは…公園かな?雨が降ってる。』

「その通りです」


ぼくはゴクリと生唾を飲み込んだ。

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