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黒猫ニーノと相葉さん。

第2章 魔法の条件。

「あいされないと、
あいが…うまれないと、ぼくは……ぼくは…」



それだけ言って
腕の力がふうっと抜けたかと思うと
ニーノは静かに目を閉じて
そして眠りに落ちていった


張り詰めてた緊張感が一気に解けて
ニーノが眠るその横に
バサッと身を落とした



ニーノが愛されないと、
ニーノと俺の間に愛が生まれないと
どうなるんだよ…?


スヤスヤと眠る横顔を見たら
なんだか急に不安になって。



「急に居なくなったりしないよね…?」

ニーノの髪をそっと撫でた



「…んっ…」

俺のシャツの裾をギュッと掴むから


「居なくなんなよ、絶対に。」

俺の鼻をニーノの鼻にくっ付けて
そのまま目を閉じた







思い出していた。
ニーノと初めて会ったあの日のこと。


雨の降る夕方
小さなダンボールに入れられて
公園の滑り台の下で
不安げな目をしてた。


『お前もひとりぼっちなの?
うちに来るかい?』


着ていた緑色のパーカーに
ニーノを包んで
俺はニーノを家に連れて帰った


『名前は…ニーノ。ニーノにしよう?』


顔の雰囲気が
二宮さんに似ていた
だからかな、放っておけなかったんだ。


『ニーノ。
俺とお前は、今日から家族だからね。

よろしくね、ニーノ。』

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