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黒猫ニーノと相葉さん。

第17章 夢幻泡影。

「ごちそうさま。んまかったよ、ダイキ」

「うんっ…! お粗末さまでございました」


御膳を下げようとすると

「片付けは俺らやるから。
早よ親神様んとこ行ってきぃ。」

返事する間もなく
マルがテキパキと片付け始め
ユーリがそっと俺の手を引く。


「行ってらっしゃいませ。オーノ様」

「ありがとう、二人共」


食堂を後にし
オカダッチの部屋の前まで来ると
タイミングよくドアが開いた。


「ぷっ。その腹…(笑)」


オイラの太鼓腹を見て
オカダッチがクックックと笑う。


「しょっ…しょーがねーだろっ!」

「ちゃんと食えたようで安心したよ。
さぁ、行こうか」



長い廊下をオカダッチと二人、並んで歩く。



「痛くはないか…?」

「え?」

「胸の傷。」



羽衣の上から触ってみるけど
ちっとも痛くはない。

立ち止まって胸を覗き込んでみると
まるで刺青のように
復活愛のバインドルーンの文字がしっかりと刻まれていた。


「オーノの身体の一部になったんだな。
もう消えることはないだろう」

「うん。オイラ、復活愛の魔法をちゃんと手に入れられたのかな」

「そのはずだよ。」



マツニーの部屋の前まで来ると
フーッと深呼吸をして

「「失礼します」」

大きな扉を開けて中へと入った。



「まずは、二人共ご苦労であった」


オカダッチが片膝を着いてお辞儀をするから
オイラも慌ててそれを真似た。


「お前たちの様子は魔境でずっと見ていたよ。
本当によくやった。

今夜…やれるな? オーノ」

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