黒猫ニーノと相葉さん。
第17章 夢幻泡影。
「はいっ…!」
「オカーダ。オーノの見送りを頼む」
「承知致しました」
マツニーはふわりと笑ってオイラ達に近付いてしゃがみ込むと
それぞれの頭を無言でクシャッと撫でて
「健闘を祈る。
下がって良いぞ」
そう言うと背中を向けて
窓の外を眺めた。
「夜が深くなるまで
俺の部屋に居るといい。
少しばかり仮眠しろよ
お前の部屋のベッドよりは寝心地がいいぞ」
来た廊下を戻りながら
オカダッチが言う。
「うん。ありがと、オカダッチ。」
フカフカのベッドに潜り込むと
吸い込まれるように眠りに堕ちていった。
夢を見た。
月神見習いとして此処に来たばかりの頃の夢。
『オーノ、お前、器用だな』
『そう?』
トネリコの木で
何日もかけて作ったウッドワンドを
お互いに交換した。
『友情の証だ』
硬い握手を交わした
あの日のことを
一生忘れない。
大切な
二人だけの思い出。
「オーノ。オーノ、起きろ」
「んー…」
「そろそろ時間だ。」
のそのそと起き上がると
オカダッチがオイラのクリスタルワンドを手渡す。
「いや…こっちを使うよ」
木箱にしまったままの
オカダッチが作ってくれたウッドワンドを手に取った。
「そうか」
「うん。オイラ、行ってくる」
ふうっ、と息を整えて目を瞑った。
頼むぞ、相棒。
ウッドワンドを高々と掲げ
呪文を唱えた。
「いざ、ナウっ!!!」
「オカーダ。オーノの見送りを頼む」
「承知致しました」
マツニーはふわりと笑ってオイラ達に近付いてしゃがみ込むと
それぞれの頭を無言でクシャッと撫でて
「健闘を祈る。
下がって良いぞ」
そう言うと背中を向けて
窓の外を眺めた。
「夜が深くなるまで
俺の部屋に居るといい。
少しばかり仮眠しろよ
お前の部屋のベッドよりは寝心地がいいぞ」
来た廊下を戻りながら
オカダッチが言う。
「うん。ありがと、オカダッチ。」
フカフカのベッドに潜り込むと
吸い込まれるように眠りに堕ちていった。
夢を見た。
月神見習いとして此処に来たばかりの頃の夢。
『オーノ、お前、器用だな』
『そう?』
トネリコの木で
何日もかけて作ったウッドワンドを
お互いに交換した。
『友情の証だ』
硬い握手を交わした
あの日のことを
一生忘れない。
大切な
二人だけの思い出。
「オーノ。オーノ、起きろ」
「んー…」
「そろそろ時間だ。」
のそのそと起き上がると
オカダッチがオイラのクリスタルワンドを手渡す。
「いや…こっちを使うよ」
木箱にしまったままの
オカダッチが作ってくれたウッドワンドを手に取った。
「そうか」
「うん。オイラ、行ってくる」
ふうっ、と息を整えて目を瞑った。
頼むぞ、相棒。
ウッドワンドを高々と掲げ
呪文を唱えた。
「いざ、ナウっ!!!」