黒猫ニーノと相葉さん。
第17章 夢幻泡影。
濃紺の夜空に浮かぶ満月と、満天の星。
風が運んでくる潮の薫りと
心地良いさざなみ。
…海だ。
浜辺にポツン、と座る男の人の背中を見付けた。
あれが…慶一郎サン。
彼にそっと近付き
後ろから声をかける。
「…慶一郎サン?」
「はい、そうですけど…あなたは?」
「シゲの…友達です。
アイツからの伝言を伝えに…今日、ここに来ました」
「シゲ君は…今、どこに?」
「アイツ、今ちょっと遠くに行ってて。
暫く帰って来れないんです。
慶一郎サンがここで待ってるかもしれないって聞いたもんで…」
「そう…でしたか。
彼は…シゲ君は、元気にしていますか?」
「ええ。元気にしてますよ」
「そっか…良かった。安心しました」
真っ直ぐに海を見つめる慶一郎サンは
綺麗な横顔をしていた。
「それで…伝言っていうのは…?」
本当は伝言なんて言付かってない。
オイラは今
慶一郎サンに何を伝えればいい?
シゲの想いを
どう伝えるのが正解なんだ?
頭をフル回転させて考えた。
こういう時は
余計なことは言わない方がいいんだ。
単刀直入に
そのままを伝えればいい。
「あなたに出逢えて良かったって。
必ずまた会いに来るから、それまで…」
「それまで…?」
「僕のことを忘れないで。って
そう言っていました」
風が運んでくる潮の薫りと
心地良いさざなみ。
…海だ。
浜辺にポツン、と座る男の人の背中を見付けた。
あれが…慶一郎サン。
彼にそっと近付き
後ろから声をかける。
「…慶一郎サン?」
「はい、そうですけど…あなたは?」
「シゲの…友達です。
アイツからの伝言を伝えに…今日、ここに来ました」
「シゲ君は…今、どこに?」
「アイツ、今ちょっと遠くに行ってて。
暫く帰って来れないんです。
慶一郎サンがここで待ってるかもしれないって聞いたもんで…」
「そう…でしたか。
彼は…シゲ君は、元気にしていますか?」
「ええ。元気にしてますよ」
「そっか…良かった。安心しました」
真っ直ぐに海を見つめる慶一郎サンは
綺麗な横顔をしていた。
「それで…伝言っていうのは…?」
本当は伝言なんて言付かってない。
オイラは今
慶一郎サンに何を伝えればいい?
シゲの想いを
どう伝えるのが正解なんだ?
頭をフル回転させて考えた。
こういう時は
余計なことは言わない方がいいんだ。
単刀直入に
そのままを伝えればいい。
「あなたに出逢えて良かったって。
必ずまた会いに来るから、それまで…」
「それまで…?」
「僕のことを忘れないで。って
そう言っていました」