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黒猫ニーノと相葉さん。

第18章 猫の恩返し。

「もしもし、ジェイ?」

『ニーノ? 具合どうよ?』

「ふふっ。ジェイだって良くないくせに」

『だな』


ジェイの言葉に力が無いのがわかる。
身体、ツライのかな…。


「翔さんは?」

『今、席を外してくれてるよ。
で、どうした?』


「あのね、」




言葉にするのが怖い。




『ニーノ?』


「ジェイは、何か感じない?」


『何か、って…?』





「終わりを、感じない…?」


『終わり…』



ほら、やっぱり。
ジェイも感じてたんだね
漠然とした“終わり”を。

その“終わり”が何を意味するか
それも、なんとなく気付いてるんでしょ…?



「ぼく…嫌だよ。終わりたくないよ…」

涙が滲んでくる。

『バカッ…まだ決まったわけじゃないだろ。
決めつけんなよ…』

「だって…」


ギュッと唇を噛みしめた。


「オーノ様どこ行ってるんだろう…」

『緊急鳴呼で呼んでもさ、届いてないみたいなんだよ』

「うん…。ぼくも、何度か呼んでみたけどダメだった…」

『来てくれるのを待つしかないな…』




結局答えは出ないまま
何もわからないままで。

でも
ジェイもぼくと同じように
漠然とした“終わり”を感じてるんだということだけはわかった。

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