
黒猫ニーノと相葉さん。
第18章 猫の恩返し。
「なぁ、ニーノ…」
「うん…?」
「俺さ、結局ダメだったわ…」
「ダメ、って…?」
「翔くんとのこと。
なーんにも残せなかった…」
「何言ってるの…
ちゃんと残せたでしょ?
思い出…いっぱい出来たじゃん…」
「そう…なんだけどさ…」
ジェイが言わんとしてることはわかっていた。
愛を注ぎ
注がれる行為を
越えることが出来なかったと…
ジェイは、そう言いたいんだ。
「でもさ
言えたんだよ、俺…」
「なんて…?」
「俺の全部をあげる。って…
覚悟も…出来てたんだけどね…
こんな体調だからさ、翔くん、俺のこと気ぃ遣ってくれちゃってさ…」
「そうだったんだ…
ぼくもだよ、ジェイ…」
「ニーノも…?」
「最後にもう一度だけ、って言ったんだけどね
治ってからねって言われちゃった…」
「ふふっ…ダメだなぁ、俺ら…(笑)」
行き交う人が
ぼくたち二人を怪訝そうに振り返る。
そりゃそうだよね
男二人で
スウェット姿でさ
身体支え合ってやっとの思いで歩いてるんだから。
「翔さんとまた出会えたことに…後悔はないでしょ…?」
「無いよ…
あるわけないだろ…?」
「ふふっ。ぼくもだよ…。
期間は短かったけど…人間の姿で相葉さんと暮らせて…幸せだった……」
いつか、ぼくが倒れていた公園の長屋の隅っこ。
死角になるそこに
ぼくたちは倒れ込んだ。
「うん…?」
「俺さ、結局ダメだったわ…」
「ダメ、って…?」
「翔くんとのこと。
なーんにも残せなかった…」
「何言ってるの…
ちゃんと残せたでしょ?
思い出…いっぱい出来たじゃん…」
「そう…なんだけどさ…」
ジェイが言わんとしてることはわかっていた。
愛を注ぎ
注がれる行為を
越えることが出来なかったと…
ジェイは、そう言いたいんだ。
「でもさ
言えたんだよ、俺…」
「なんて…?」
「俺の全部をあげる。って…
覚悟も…出来てたんだけどね…
こんな体調だからさ、翔くん、俺のこと気ぃ遣ってくれちゃってさ…」
「そうだったんだ…
ぼくもだよ、ジェイ…」
「ニーノも…?」
「最後にもう一度だけ、って言ったんだけどね
治ってからねって言われちゃった…」
「ふふっ…ダメだなぁ、俺ら…(笑)」
行き交う人が
ぼくたち二人を怪訝そうに振り返る。
そりゃそうだよね
男二人で
スウェット姿でさ
身体支え合ってやっとの思いで歩いてるんだから。
「翔さんとまた出会えたことに…後悔はないでしょ…?」
「無いよ…
あるわけないだろ…?」
「ふふっ。ぼくもだよ…。
期間は短かったけど…人間の姿で相葉さんと暮らせて…幸せだった……」
いつか、ぼくが倒れていた公園の長屋の隅っこ。
死角になるそこに
ぼくたちは倒れ込んだ。
