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黒猫ニーノと相葉さん。

第18章 猫の恩返し。

☆オーノSide☆



「なんだとぉっ?!」


独房生活が終わったら
月ノ湖で鯛釣ってやるっつったのに
期待しないでおくよなんて
シゲのくせに生意気だ!


「ふふっ。冗談だってば」


シゲがクスクスと笑う。

…少しは元気になれたかな。
シゲの笑顔に胸を撫で下ろした。




「あっ…」



「え?」



「呼んでる」

「誰が?」




「オーノくんだよ。呼ばれてる。
緊急鳴呼だ。
聞こえない?」


耳を澄ましてみても
それは聞こえない。


「呼ばれてねぇって」



「いや、確かに呼ばれてる。
凄く弱い声だ…

行ってあげて?オーノくん」


「いや、行けって言われてもさ」




呼ばれた声が聞こえないなんて
しかも緊急鳴呼だろ?
聞こえないはずないじゃないか。



「確かに呼ばれてるよ。
僕は鼻だけじゃなく耳も効くんだからね?」



御犬様担当になってから
確かにシゲは鼻と耳が効くようになった。




っ…!




ズキン、と痛みだした、胸に刻んだバインドルーン。



「オーノくん?!」

「あれ…なんだこれ…」







『『……オーノ様…!』』





「あっ…」







今、確かに聞こえた。

この声は…



ニーノとジェイだ。

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