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黒猫ニーノと相葉さん。

第18章 猫の恩返し。

☆相葉Side☆



いつもより早めに仕事を上がって
早足で帰路に着く。

買い物は昼休憩のうちに済ませておいた。
早く帰ってあげなきゃ。


自宅まであと200mほど、といったところで
スマホの着信音が鳴った



翔ちゃん?




「もしもし、翔ちゃ…」

『雅紀っ…! 潤が、潤がどこにも居ないんだ…』




えっ…?




「もしかして、うちに居るのかもしれないよ?
俺もうすぐ家に着くから、」

『俺もすぐそっち行く!』




なんだか嫌な予感がして
家までの道をダッシュした。



― ガチャッ! ―



玄関の扉を開けると
いつもそこにあったはずのニーノのスニーカーが見当たらなくて
ジェイの履き物も無くて

「ニーノ! ジェイ!」

買い物袋を玄関に置いたまま
リビングの扉を開けた。



居ない…。



寝室にも
トイレにも
バスルームにも
どこにもニーノ達の姿は見当たらなくて
嫌な汗が背中を伝った。




「雅紀…!」

急いで走ってきたんだろう
息を切らした翔ちゃんが
鍵を開けたままの玄関のドアから勢い良く駆け込んできた。



「翔ちゃん…」

「二人は?!」



「居ないんだ…
どこにも居ないんだよ…」

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